土間が室内と屋外デッキを繋ぐ住宅
半地下RC造の上に木造2階が載る建物。地面から高さがある1階床は、土間を通じて屋外デッキに繋がります。土間があることで室内とデッキは密に繋がり、より活動的な生活となります。 また土間は工作スペース、そして愛犬の居場所にもなり、人とペットとの触れ合いも深まります。 太陽熱利用技術として、ダイレクト・ゲイン、ハイブリッド・ソーラー(太陽光発電+空気集熱式ソーラー)、潜熱蓄熱体(Phase Change Material)による夜間のための蓄熱、太陽熱給湯。東西面の日射遮蔽にLow-E硝子。天窓を利用した温度差による重力換気など、1998年当時考えられる様々な自然エネルギー利用技術を盛り込みました。現在では標準的になったもの、またはあまり使われなくなったものもあり、技術は年月に淘汰されるものがあると感じます。 年月を経ても価値が変わらないもの、それは、材料・素材の経年変化が味わいとなるか否かが一つのポイントだと思います。このことは、建物に愛着を持ち続けられるかに繋がると思います。
概要
所在地 : 横浜市戸塚区平戸
建物構造: 木造軸組工法、一部RC造
床板 : 無垢板(桧、ヒバ、ナラ)
天井板 : 無垢板(杉、唐松)
室内壁 : 漆喰塗り、土壁、無垢板(青森ヒバ、唐松)
外壁 : 外壁通気工法、モルタル塗り、ジョリパット仕上げ
屋根 : 鋼板葺き
暖房 : 空気集熱式ソーラー、エアコン、薪ストーブ
断熱 : 壁GWt100mm/天井GWt100mm+XPFt50mm
太陽光発電: アモルファス式屋根材一体型
建築年 : 1998年
新築後21年が経過
ウッドデッキが腐朽したため作り替えました
2019年に作り替えました。
耐久性の高い米ヒバ材を用いましたが、21年が経過し各所が傷んでしまいました。 木材は腐らせず長く使うことで環境負荷が少なくなるといえます。20年程度で新たに作り替えればよいと判断できる小規模な部位であるか、もしくは腐朽により危険が生じないものであるかが問われると再認識しました。新築時は全体予算をおさえる必要性から、判断が分かれる点です。
新しいデッキの骨組みは、鉄骨(溶融亜鉛メッキ処理)でつくりました。
木製無垢デッキ材の魅力は捨てがたいですが、塗装不要で維持管理が楽である樹脂製デッキ材を採用。
樹脂製デッキには木目を表現した商品(擬木)もありますが、これは選択肢に入りません。あくまで木とは異なる表情の樹脂製デッキを選びました。
木粉と樹脂で作られ、滑り止め加工の表面とスリットが入り、スッキリした表情が決め手です。 今後、樹脂製デッキ材のメンテナンス性と経年変化を確かめていきます。
デッキを作り替えてから1年後
まだ1年のためデッキ材の経年変化は見受けられません。 樹脂製デッキの良いところとして、雨降り後の水切れがよいことがあります。 木製デッキに比べて吸水性が低いため水たまりが残りますが、床用ワイパーで水を掃き出せばデッキ掃除を兼ねることになり、ワンコもデッキで気持ちよく過ごせます。