環境性能・耐久性能・メンテナンス

建物の寿命を長くすることで、建物建設による環境負荷を低減。

冷暖房エネルギーを減らすことで、地球温暖化への影響を低減。

高いメンテナンス性能および長期優良住宅認定により高耐久性能の建物を設計します。


環境性能

環境負荷を減らす5つのポリシー

  1. 高耐震・高耐久の設計により、建物の寿命を長くすることで、建物建設による環境負荷を減らします。
  2. できるだけ分別可能な廃棄を考慮した設計とすることで、建物が役目を終えて解体される際に、廃材のリサイクル促進を図り環境負荷を減らします。
  3. 高断熱・高気密、および自然エネルギー利用のパッシブ設計により、冷暖房エネルギーを減らすことで、地球温暖化への影響を減らします。
  4. 植林・管理された木材を利用することで空気中の二酸化炭素減少につなげます。
    屋外に木材を用いる場合は、短期間で腐朽しない使用法を選択することで、木材に蓄えられた二酸化炭素が大気に放出されるまでの年月を延ばし、空気中の二酸化炭素減少につなげます。
    また、環境破壊につながる違法伐採された木材を用いず、正しい手続きで伐採された合法木材を用いることで、森林破壊を防ぎ、地球の気候変動を少しでもおさえることに繋げます。
  5. 長期優良住宅の認定による環境保全を目指します。

  6. 耐久性能

    1. ベタ基礎を標準とし、基礎高さは地面から400mmを確保することで木造部を湿気から守り、防蟻性能を高めます。
    2. 屋根の軒の出を確保することで、雨から建物を守ります。
    3. 外壁通気工法により、壁内部への雨水侵入防止と水蒸気低減を図り、外壁内部の乾燥状態を促進します。
    4. 頑丈な骨組みの建物をつくります。頑丈な骨組み・スケルトンは、長期に渡って使用可能なため、将来の大規模リフォームにも対応可能です。
    5. 頑丈な木構造の骨組み

      頑丈な木構造の骨組み

    6. 全てを木で構成するのではなく、屋外など水濡れ部位(特に骨組み)は、状況に応じて鉄・アルミなどを用い、耐久性を確保する設計を行います。「木材しかない昔」とは異なる現在では、保守費用などを総合的に判断することが大切です。(ウッドデッキなど地面から低い高さのもので、木材腐朽により重大な事故に繋がらないものは別です)

    7. メンテナンス性能

      1. 設備排水管などを出来るだけ壁に埋め込まず、数十年後のメンテナンスを考慮します。
      2. 特殊な部材・設備機器を使わず、一般流通品を用いることで、将来の交換を容易くします。
        これは経験しないと意外に分からない点です。新築後数十年が経過し、ある部品交換の必要が生じたときに、建築した住宅メーカーだけが取り扱える部品という制約が案外多く存在します。

      3. シロアリ対策・防蟻策

        シロアリ対策には、木材を薬剤処理する方法もありますが、シックハウス対策において、以前使用されていたような強い薬剤(クロルピリホス)の使用が規制されています。

        物理的にシロアリの侵入を防ぐ

        物理的にシロアリの侵入を防ぐことを第一に考えています。
        ベタ基礎により地面から侵入する経路を断ち、地面からの基礎高さを40cm以上確保します。

        工場にて木材の薬剤による処理

        木材表面に薬剤等の処理をする場合、現場で塗布する方法では、木材の表面から数ミリ(実験結果では1mm程度)しか染み込まないため、木材表面に自然発生する割れからシロアリが侵入する可能性があります。
        木材表面の薬剤等の処理によりシロアリ対策を考えるのならば、工場で木材に薬剤を含浸させる「インサイジング処理」等を行う方法が有効です。

        建築現場にてホウ酸系防蟻剤よる処理

        ホウ酸系防蟻剤を木部に含ませることにより、シロアリ対策を行う方法。建物上棟後に床下などを含めて木部の処理をすることが可能です。

        シロアリの巣(コロニー)を壊滅させる

        物理的に防ぐ方法でも完璧とは言い切れません。そこで、万が一シロアリが侵入したとき、または侵入を防ぐためにシロアリの巣を壊滅させる方法、ベイト工法(セントリコン・システム)があります。
        薬をまかずに巣ごと退治するシステム。薬剤を木材に塗布する等のバリアー工法に比べ、薬剤の使用量が非常に少量ですみます。
        薬剤は特殊な容器に納めて地面に埋め込まれますので、人やペットが薬剤に触れる可能性はほとんどありません。

        【従来の方法】
        床下に防蟻剤を散布するのがいままでの防除工法。シロアリが家屋に侵入しないようバリアをつくる工法で、根本的な防除法ではありません。地中のコロニーは温存され、防蟻剤のバリアに隙間ができると再び侵入する危険性があり根本的な防除はできません。

        しかし、シロアリを根絶することはできません

        ヤマトシロアリなどは、日本の広い範囲に生息しており、敷地内のヤマトシロアリを駆除したとしても近隣から飛来してくるため、残念ながら根絶することは難しいと考えた方がよいと思います。近年では外来種のカンザイシロアリによる被害も懸念されます。
        このため、話は戻りますが「物理的にシロアリの侵入を防ぐこと」を行い、その上で防蟻対策を検討し選択することになります。


        長期優良住宅

        全ての建物に長期優良住宅の認定申請をお勧めしています。
        SHIBA建築工房・設計施工建物の基本性能は、長期優良住宅の諸条件に適合しますので、大きな設計変更なく認定申請が可能です。


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