地震多発国である日本。
住む人の生命と尊厳を守る家。
なにより大切なのが耐震性能です。
耐震性能
地震に強い建物をつくるために許容応力度計算により構造計算を行います。
設計基準は耐震等級3です。
私・柴は、耐震性能を追求するため、2011年に大学院に社会人入学し耐力壁の研究を行いました。これまでの研究成果を活かし、耐震設計を行います。
「耐力壁の実験研究」の成果を活かします
「許容応力度計算」による構造計算
「実物大の耐力壁試験」の実験研究
以上の2つを合わせ、より地震に強い建物設計を目指します
耐震等級とは
必要な耐力壁の長さ(必要壁量)を満たせば建築基準法上はよいのですが、必要壁量ぎりぎりなのか、または必要壁量よりも数十%多いのかで、当然ながら耐震性能は変わります。
そこで耐震性能を示すものとして「耐震等級」があり、3ランクの指標が与えられ、どれくらい耐震性能が高いのかが数値で表されます。
この耐震等級は、建築基準法とは異なる「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいた制度です。(外部リンク:国土交通省 > 住宅の品質確保の促進等に関する法律 )
構造計算を行います
木造2階建て住宅であれば、「耐力壁の必要壁量チェック」と「バランスのよい耐力壁配置チェック」を行うことで足ります。しかし、SHIBA建築工房は、詳細の構造計算を行い、構造安全性の確認を行います。
許容応力度計算で構造チェックを行います
建物の構造計算の方法として、許容応力度計算があります。
これは、地上3階建て以上の木造建築物や、延べ床面積が500m2を超えた場合などに、この許容応力度計算を行うことが求められます。
一般的な木造2階建て住宅であれば、建築基準法上は、許容応力度計算を行う必要はありません。
しかし、この計算を行うことにより、建物各部に加わる力(応力度)を算出して安全であるかという結果が得られ、より詳細な安全性の確認が可能になります。
また、許容応力度計算は、耐力壁や水平構面(床倍率)の強さ(許容せん断耐力)や、接合部の強さ(許容引っ張り応力)も確認されます。
許容応力度計算の予備知識(エンジニア向け)
許容応力度計算は、本来、各部の応力度を算出して許容応力度以下に納まっているかを確認することです。
(部材の各部に働く力 ≦ 許容応力度)
そして許容応力度計算は、弾性領域に納まるかを検討する一次設計であり、「中規模の地震動(東京では震度5強程度)でほとんど損傷しない」ことの検証です。
したがって、この検証だけでは「大規模の地震動(東京では震度6強から震度7程度) 」での安全性が確認出来ないことになります。
そのために、保有水平耐力計算他を別途行えば「大規模の地震動」での安全性を確認できますが、小規模木造住宅において、さらに詳細な構造計算を行うことは現実的ではありません。
そこで、各耐力壁の壁倍率である耐力壁の許容せん断耐力を定める際の評価方法において保有水平耐力の考えが盛り込まれているため、前述の許容応力度計算(一次設計)を行うことで、大規模地震での塑性領域の安全性(二次設計:倒壊しない程度)が担保されることになっています。
地震波動的解析 wallstat
実際に起きた地震波を、設計建物に入力することで耐震性能等をシミュレーションし、可視化するものです。
設計した建物を3次元モデル化し、過去に起きた大地震の地震波などにより建物の揺れなどを動画として見える化することで、倒壊に至る場合は、その原因となる破壊部位等が確認できます。
前述の許容応力度計算に加え、この wallstat による検討を行うことで、耐震等級等の有効性を確認することができます。
※wallstat は、中川貴文氏(京都大学生存圏研究所)により開発されたものです。
上記の動画は、壁の強さの異なる2階建て木造住宅16棟の解析。
手前・左端が80%の壁強さ。一番奥・右端が230%の壁強さ。
(地震波: 1995年兵庫県南部地震;JR鷹取)
耐力壁 Laboratory
耐力壁の実験研究
耐震壁を開発し、実物大の耐力壁に力を加える実験と研究を行ってきました。
研究成果を実際の建物に応用し、安全な建物をつくり社会に貢献したいと考え実践しています。
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