Cross Laminated Timber (CLT)構法 耐震実験

去る2012年2月6日、防災科学技術研究所・大型耐震実験施設にて、「クロス・ラミネイテッド・ティンバー・パネル実物大建築物の振動実験」が行われ、見学してきました。

クロス・ラミネイテッド・ティンバー(Cross Laminated Timber : CLT)という言葉をあまり聞かないと思われますが、欧州での木構造建築ではCLTパネルが多く採用されています。
CLTパネルを簡単に説明すると、厚さ数センチ程度の木材を、各層が直行方向に重なるよう貼り合わせ壁パネル化したものです。今回の実験では、厚さ3センチの杉材を貼り合わせたCLTパネルを用いています。

公共建築物等にも木造建築を推進し、それにより木材利用の促進に繋げるという内容の法律が平成22年に施行されました。しかし地震多発国である日本では、耐震性能を確保する必要があります。このためにCLT構法での実物大振動実験が行われました。

以下の写真は、2010年3月に訪れたオーストリアのスキーリゾート地、Obertauern(オーバータウエルン)でのCLT構法のホテル(地下はRC造)。CLTパネル会社はKLH。


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その工事中ホテルの内部。間仕切り壁のCLTパネル断面が見えています。右側に見える黄色いものは屋根裏面のグラスウール断熱材。
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木構造の建築は、鉄筋コンクリート造とは違い完成直後に乾燥状態にあること。そしてコンクリートや鉄骨などに比べ熱が伝わりにくく、断熱面でもメリットが大きい。