エアコン1台で全館空調

SHIBA建築工房による全館空調の特徴

快適な室温とキレイな空気
  • 冬は全室ほぼ均一な温度で暖かく、夏は冷たさを感じない涼しさ
  • 花粉やPM2.5を除去(低減)した室内空気で安心
小さなエアコン1台で実現
  • 家庭用エアコン他を用いたシンプルなシステム
  • 温度差が小さく微風に近い気流のため、エアコンが苦手な方にもお勧め
  • エアコン室外機が1台のため、隣家への影響も少ない
    ※建物の大きさや形状次第ではエアコン2台必要です
  • 1年間の冷暖房費用も少なく済みます
計算により裏付けされた設計
  • 高断熱・高気密の建物を元に、熱計算を行いシステム設計
  • 微粒子を除去する熱交換換気扇によりクリーンな室内空気
故障や交換のときの費用が少ない
  • 全館空調の機器類(エアコン等)は、家電店などで購入可能な商品のため、ユーザーによる手入れが簡単
  • そのため、故障時は機器メーカーによる修理が可能、そして将来の交換時の費用も少ない

Lowエネルギーで快適な住まいを実現

高断熱・高気密をベースにエアコン1台で、床を暖めたり冷やしたりしながら全館冷暖房。
夏は高原のような涼しさ、冬はお肌にも優しい暖かさを、少ないエネルギーで実現。

世界の中でも厳しい温度・湿度環境の日本

日本の夏は、湿度が非常に高く、冬はとても乾燥します。
ドイツなどは、夏は湿度が低く、冬は湿度がやや高いため、湿度を考えると、日本は欧州とは違った空調システムを考えるのが理想的といえます。

関連記事:SHIBA建築工房 Journal 「1年間の気候の変化 世界各地との比較」

夏は除湿、冬は加湿(保湿)が機能する空調が理想的ということです。
夏はエアコンで冷房すれば除湿ができますが、
冬にエアコンで暖房すると湿度は下がってしまいます。(正確には相対湿度が下がります)

快適さと省エネの両立

夏は爽やか、冬は暖かな室内

そこで、エアコン1台と全熱交換型換気扇(※)を組み合わせることで、
夏は、高原のような爽やかな室内。
冬は、ほどほどの湿度がある室内環境の家を実現します。
(※全熱交換型換気扇とは、熱交換の機能に加え、湿度を回収する機能を持った換気扇)

高性能建物をベースに、全室冷暖房を少ないエネルギーで実現します。
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小さなエアコン1台で全館冷暖房

1990年代は、断熱気密技術が発展途上にあり、それを補う省エネ技術の1つとして、太陽熱の空気集熱式ソーラーハウス(OMソーラー)や、パッシブ的方法で空気を循環させるなど「建築的手法」の省エネ工法が注目を集めました。

そして、SHIBA建築工房は、1992年頃から「OMソーラー」などの空気集熱式ソーラーハウスを数十棟つくり、床下に暖かい空気を流す暖房方式の経験を積んできました。

断熱技術とエアコン性能の飛躍的向上

しかし現在では、断熱技術が非常に発展を遂げ、建物の断熱性能を示すQ値 [W/m2K] が1未満の超高断熱住宅も可能になりました。

それに加え、エアコンのエンジンであるヒートポンプ技術も飛躍的に性能が向上し、エネルギー効率はとても高く、大気中の熱を利用するヒートポンプは、再生エネルギー利用と同義といえます。(東京大学名誉教授 坂本雄三先生の文章を一部引用)

開放的で快適な室温環境の実現

そこで高断熱・高気密の建物に、高効率のエアコンを組み合わせることで、40坪程度までの家ならばエアコン1台で全館冷暖房することが可能になりました。そして、窓の高性能化により、高断熱住宅でも、より開放的な建物をつくることが出来るようになりました。

我慢の省エネ住宅ではなく、より豊かに快適に暮らすことができる住まいの選択肢が増えたといえます。

日本の気候の変化

近年、日本の四季に変化を感じるようになりました。
猛暑の夏、そして平年以上に寒い冬。これに伴い、春と秋が短くなってきたように思います。
猛烈な暑さと、底冷えする寒さから守り、少ないエネルギーで快適な室内環境を実現する技術が必要とされています。

パッシブ・デザインの限界 【夏期は除湿が不可欠】

日本の夏は湿度が高く、世界的に見ても厳しい暑さであることは前述のとおりです。日本の夏の快適性を高めるためには「除湿」しかありません。除湿を容易に行う装置、それはエアコンです。

建築的手法による、パッシブ・デザインは、建物の基本性能を底上げする技術。太陽熱利用のパッシブ・ソーラーは冬の暖房軽減が主な目的です。このパッシブ・デザインだけでは除湿することはできず、猛暑の夏は対処することが困難です。特に、横浜市など都市化が進んだ住宅地ではなおさらです。

そこで、少ないエネルギーで全室快適な室内環境を得られる、この技術がとても有効といえます。


SHIBA建築工房の全館空調の特徴

高断熱・高気密の建物をベースに、エアコン(14帖用程度)1台で全館冷暖房します。
床を暖めたり冷やしたりしながら家全体を冷暖房するため足元まで快適。
エアコン1台で全館空調

部屋毎に設置する個別エアコンに比較して、家全体をゆったりと冷暖房するため、体への負担も軽減されます。

  • 花粉症などをお持ちの方
  • 綺麗な空気、空気質を重要視される方
  • ご高齢、乳幼児など体の抵抗力が低いご家族がいる方
  • エアコン冷房の冷たい風が苦手な方

以上の方へ、特にお勧めします。

シンプルな設備構成

特殊な全館空調専用機器は用いません。
家電店で購入可能な家庭用エアコンを中心に、量産品の空調機器で構成します。

大きな安心と、少ない維持費用

いつかは寿命を迎える設備機器ですが、

  • エアコン本体は、家庭用ルームエアコンのため将来にわたり容易に交換が可能。
  • エアコン以外の空調機器も、大手電機メーカーの量産品のため、故障時には電機メーカーによる修理対応が可能。

「全館空調ユニット」のような大がかりな設備機器ではないため、修理・交換費用も少なく済みます。

利点・メリット

SHIBA建築工房による全館空調システムの利点は以下のとおりです。

  • 14帖用程度の小さなエアコン1台で、家全体を快適な温度環境に
  • エアコン室外機が1台のため、隣家への影響も少ない
  • 温度差が小さく微風に近い空調気流のため、エアコン特有の不快感が少ない
  • 花粉、PM2.5などを低減した空気を室内に取り込むためキレイな空気
  • 各居室にエアコン、給気口、換気扇を設置する必要がない
  • 一般に販売されているエアコン機器等を用いるため、将来のメンテナンス交換時も安心
少しの欠点・デメリット
  • 空調機器を納める小さな部屋が必要です。
  • 空調機器を納める空調室回りは、エアコン機器の音が発生します。しかし寝室など各部屋のエアコンは不要のため、就寝時の環境はより静かになると言えます。
  • 空調室から各部屋へ空気を運ぶためのダクト配管を考えた設計が必要。
  • 部屋ごとに設定室温を変えることは難しく、また少し温度差が生じることがあります。
各条件の目安

エアコン1台で冷暖房を行う全館空調は、以下の条件を目安にしてください。

  • 1年間の冷暖房運転費用は、およそ5〜7万円が目標値(延べ床面積100m2の建物に換算値)
  • 延べ床面積は40坪(132m2)程度以下とします
  • 高断熱・高気密の建物がベース(建物断熱性能 Q値=1.7以下。気密性能 C値=1.0以下)

※建物の大きさや形状次第ではエアコン2台必要です。
※建物の断熱性能、床面積に応じ適切なエアコン機器等を選択するため費用は多少変動が生じます。

快適な室温を得るための設計方法

小さなエネルギーで全館快適な室温環境を得るために、設計段階で建物の熱性能を計算し、目標とする性能が得られるかの検討を行います。

計算結果によって、場合によっては建物の断熱性能の調整を行い、最適なエアコンの能力などの決定を行い、室内の各所の温度がおよそ均一になるよう設計します。


完成建物の温度実測

住宅(建築)は現場製作であるため、机上の計算通りいかない部分が残るものです。
設計性能と、建築された建物の実測結果を照らし合わせて、設計および施工方法に問題が無かったかを確認し、今後の設計にフィードバックすることは大切なことです。

エアコン1台で全館空調の家 – 室温実測結果

全館空調住宅の、室温と外気温の温度測定を行いました。

  • 延べ床面積: 153平方メートル(約46坪)
  • 建物概要 : 木造軸組工法、高断熱性能サッシ
  • エアコン : 家庭用 壁掛ルームエアコン14畳用、1台
  • 計測期間 : 2016年1月24日〜2月2日(10日間)

2016年1月24日頃から、日本列島を猛烈な寒波が襲い、ここ横浜市でも大変寒い日が続きました。
このような絶好かつ厳しいタイミングで温度計測をすることで、建物性能の真価を問うことができました。

外気温が0度を下回った日も、室温は21〜22度で安定しています。
1月29日から2月1日の4日間は、日照時間がほぼゼロの曇りまたは雨の日で、底冷えする数日でしたが、室温は23度付近で安定しています。

 
全館空調の温度測定グラフ

エアコン1台で全館空調の家 – 赤外線サーモグラフィー測定

SHIBA建築工房がつくる全館空調の家が快適である理由の1つ。
室内の温度と、空調気流の温度差が少ないことがあります。これを分かりやすくご覧いただくため、赤外線サーモグラフィーで測定を行いました。

  • Ar1: 平均27.2度 空調吹き出し口
  • Ar2: 平均26.0度 室内間仕切り壁(室温と同等)
  • Ar3: 平均23.2度 ランマ窓ガラス

(Ar1) – (Ar2) = 27.2[度] – 26.0[度] = 1.2[度]

Ar1(空調吹き出し口)27.2度と、Ar2(室温同等部位)26.0度の温度差にご注目ください。このケースでは温度差は1.2度となっていますが、大きくても3〜4度差に納まることがほとんどです。

室温と温度差が少ない空調空気が、微風に近い風速で送り出されるため、通常のエアコン冷暖房に比べて不快感は少なくなります。

全館空調・室内の赤外線サーモグラフィー測定

全館空調・室内の赤外線サーモグラフィー測定


通常の壁掛けエアコン暖房 赤外線サーモグラフィー測定

ここで参考までに、通常の壁掛けエアコン暖房運転時の赤外線サーモグラフィー測定結果をご覧ください。

  • Ar1: 平均41.5度 エアコン空気吹き出し口
  • Ar2: 平均21.2度 室内壁 床上1.6m付近
  • Ar3: 平均21.4度 室内壁 床上2.4m付近

(Ar1) – (Ar2) = 41.5[度] – 21.2[度] = 20.3[度]

Ar1(エアコン空気吹き出し口)41.5度と、Ar2(室内壁)21.2度の温度差は20.3度
全館空調の場合の温度差は大きくて3〜4度程度ですから、この違いがよく分かると思います。

※エアコン空気温度Ar1は、室内温度と設定室温の温度差により変動しますので、あくまで一例として参考にしてください。

普通の壁掛けエアコン暖房運転時の赤外線サーモグラフィー測定

一般の壁掛けエアコン暖房(※全館空調ではありません)

空調空気の温度と室温の差が不快感につながる

暖房の場合は、空調空気の温度が室温より、かなり高い場合はもうろうとするかもしれません。
冷房時は、冷たい風を長時間体に浴びることで、体の一部が冷えすぎて不快を覚えがちです。

この温度差に加えて、空調からでる気流の速度(風速)が大きいほど、不快に感じがちです。
これらの問題を低減するために、温度差の少ない空調空気を、微風で吹き出すことが、SHIBA建築工房がつくる全館空調の特徴であり、快適である理由です。


 

弊社事務所の自然エネルギー利用技術1998年

SHIBA建築工房事務所エネルギー利用技術SHIBA建築工房事務所は、1998年に建築しました。
当時考えられる自然エネルギー利用技術を盛り込みました。

新築後20年以上が経過し、近年の断熱気密技術の向上や、窓の高性能化などにより、現在では最適とはいえない技術もありますが、是非ご覧ください。

詳しくは「SHIBA建築工房事務所 再生可能エネルギー利用1998年」ページをご覧ください >>


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