設計と性能

What we design

建築は生活の質と街並みに影響を与え、

良質な室温環境は居住者の健康を保つために大切です。


設計について

生活の質と街並みに影響を与える家の設計

住み心地

住み心地は、体感しないと分からないもの。
長く住むことで、良いところ、不十分なところに気づく難しさがあります。

自動車で例えるなら、素敵なフォルムだけでは判断できず、
車に乗り込んで初めて感じる視界、車内空間のボリュームや質感が近いかもしれません。
車と異なるのは、住まいは四季を通して体感して、住み心地が分かることでしょうか。

読み解くこと

設計で重要なことの1つは、お客様のご要望を読み解くこと。お客様がご要望を明確に表現できないのは、設計者ではないので、ある意味当然のこと。設計者である私が、少しずつご要望をくみ取っていきます。
箇条書きされたご要望を設計プランに落とし込むだけでは十分ではなく、お客様自身が気づいてない要素を設計者が読み解いて、基本設計をまとめたとき設計の完成に近づきます。このとき敷地や周辺環境を合わせて考える必要があります。
この設計過程は、まとまるまでの時間が読めないことがあり、そのときは思考と時間との闘いです。

そしてこの設計過程に至るまでが、お客様と私たちの相性が問われる第一段階でもあります。

パッシブデザイン

デザイン

周辺環境に溶け込むような建築で、静かな存在感を。
敷地条件その他が許されれば、ゆったりとした屋根で軒の出が深く陰影がある建物。
時の流れに淘汰されないフォルム、デザインを目標としています。

装飾的なデザインは行いません。室内は心地よく安らげる空間を実現できるよう設計します。

私たちは設計する建物に作品性を求めていません。ここでいう作品性とは、他の建築と差別化を図る個性的デザイン。または写真写りを重視するあまり、室温環境やメンテナンス性能が劣る建物などを指します。


耐震性能

地震に強い建物をつくるために許容応力度計算により構造計算を行います。
最低基準は耐震等級2。設計目標は耐震等級3です。
耐震等級3の設計はそう難しくありません。しかし壁の量が多く必要になるため、設計上の制限が少し発生することがあります。

耐力壁の実験と研究

私・柴は、耐震性能を追求するため、2011年に大学院に社会人入学し耐力壁の研究を行いました。このため、より詳細の検討にてお応えします。


室温環境

居住者の健康を保つために大切な室温環境

高効率化 Efficient Technology

少ないエネルギーで快適な室内環境を実現するよう設計します。
車で例えるなら、エンジンがアイドリングに近い状態で一定速度を維持するイメージ。
以下のパッシブ設計、高断熱、高気密の三位一体の設計が基本。
オプションの全館空調は、シンプルな技術で実現。

太陽光発電などエネルギーを作る設備機器は別に考えます。ここが重要です。
燃費が悪いのを、発電で補うことで相殺する考えとは180度異なります。

1. パッシブ設計

passive solar direct gain

高断熱、高気密が基本です。しかし過剰な断熱性能を追求することはありません。

横浜市は、冬期の日射量が多い地域です。冬の日差しを室内に取り入れる太陽熱エネルギーなどを計算し、快適な室温環境の設計を行います。

パッシブ設計(デザイン)という言葉を聞いてもイメージしにくいと思いますが、日本古来の建物の多くはパッシブデザインの要素を持ち合わせていると言えます。
それは、夏には日差しを防ぐ、屋根の長い軒の出であったり、蒸し暑い日本の夏の暑さをやわらげるめに自然の風を取り入れる工夫など、先人の知恵の結晶です。

パッシブデザインの目的は建物の基本性能向上

ここ横浜においては、冬の暖房がほぼ不要になる高性能の家をつくることはできますが、夏の暑さ、特に湿気から逃れるためには、どうしてもエアコン等が必要になります。
パッシブデザインが大切であるのは、冬の暖房や、夏のエアコンを動かす時間を短くできることにあります。これは建物室温環境の「基本性能」が高いということです。

関連記事: SHIBA建築工房 Journal パッシブデザイン・カテゴリー記事 >>

2. 断熱性能

断熱性能等級4は同基準内では最高ランクですが、特に冬期間の断熱性能を考えたとき十分とはいえません。そこでSHIBA建築工房は断熱性能等級4を上回る、HEAT20 G1グレード以上で断熱設計を行います。

  横浜市・地域区分6
外皮平均熱貫流率UA
  断熱性能等級4 0.87 [W/(m2・K)]
  HEAT20 G1 0.56 [W/(m2・K)]
  HEAT20 G2 0.46 [W/(m2・K)]

【解説】外皮平均熱貫流率 UA値とは:
UA値 [W/(m2・K)] = (建物全体から逃げる熱量)÷(外皮の面積)
室内から外皮(天井、外壁、窓、床)を通って屋外へ逃げる熱量を、外皮全体の面積で除した値。
UA値が小さいほど省エネ性能(断熱性)が高いことを示します。

HEAT20: www.heat20.jp >>(外部リンク)

3. 気密性能

相当隙間面積・設計C値は、 1cm2/m2以下とします。
施工時における目標C値は、0.6cm2/m2以下です。

横浜市は、比較的温暖ですが、省エネ住宅をつくるために気密性能は不可欠です。
引違い窓は、気密が取りにくい構造を持ちます。この引違い窓を南側に用いることが多くありますが、気密性能・実測C値は0.3〜0.6cm2/m2の実績があります。

【解説】C値とは:
建物全体に存在する隙間面積[cm2]を延べ床面積[m2]で除した数値。
この数値が小さいほど、隙間が少なく気密性能が高いことを示します。
隙間面積には玄関ドア・窓の隙間も含まれます。

気密性能が高いこと(高気密)の利点
  1. 窓を閉めれば、家全体をキッチリと閉じることができます。気持ちいい風を入れたいときは窓を開けるだけ。決して息苦しい家ではありません。花粉や有害物質など室内に入れたくないものを制御しやすくなります。
  2. 冷暖房の電気代が安くなります。高気密の建物は窓を閉めれば、家全体の隙間が僅かのため、エアコンの効率が上がり電気代も少なく済みます。
  3. 室内の温度ムラが少なくなります。冬期に足下が寒い経験があると思います。これは断熱が足りないだけでなく気密が悪いことも影響します。暖められた空気は上昇します。ここで気密が悪いと、暖かい空気は天井他から屋根裏等へ逃げます。これと同時に逃げた空気と同量の冷たい空気が室内に入り込み、足下が冷える結果となります。
  4. 花粉除去などを含めた計画的な換気が可能になります。24時間換気扇などで花粉他を除去した空気を室内に取り込むことで、汚染物質の制御が可能となります。気密の悪い建物では、数多くの隙間から外の空気が侵入するため、取り入れる空気を制御できません。

全館空調(冷暖房) option

高い気密性能、断熱性能の建物をベースに、家庭用エアコン1台で全室冷暖房が可能です。
詳しくは、エアコンで全館空調ページをご覧ください。
※建物規模によってはエアコン2台が必要です。


環境性能

環境負荷を減らすために、以下の項目に留意します。

  1. 高耐震・高耐久の設計により、建物の寿命を長くすることで、建物建設による環境負荷を減らします。
  2. できるだけ分別可能な廃棄を考慮した設計とすることで、建物が役目を終えて解体される際に、廃材のリサイクル促進を図り環境負荷を減らします。(例えば、現場吹き付け発泡ウレタン断熱材等は、分別廃棄が容易ではありません)
  3. 高断熱・高気密、および室内への太陽光を制御する等のパッシブ設計により、冷暖房エネルギーを減らすことで、地球温暖化への影響を減らします。
  4. 植林・管理された木材を利用することで空気中の二酸化炭素減少につなげます。
  5. 環境破壊につながる違法伐採された木材を用いず、正しい手続きで伐採された合法木材を用いることで、森林破壊を防ぎ、地球の気候変動を少しでもおさえことに繋げます。

  6. 耐久性能

    1. ベタ基礎を標準とし、基礎高さは地面から400mmを確保することで木造部を湿気から守り、防蟻性能を高めます。
    2. 屋根の軒の出を確保することで、雨から建物を守ります。
    3. 外壁通気工法により、壁内部への雨水侵入防止と水蒸気低減を図り、外壁内部の乾燥状態を促進します。
    4. 頑丈な骨組みの建物をつくります。頑丈な骨組み・スケルトンは、長期に渡って使用可能なため、将来の大規模リフォームにも対応可能です。コストダウンのために必要最小限な骨組みにすることはありません。
    5. 頑丈な木構造の骨組み

      頑丈な木構造の骨組み

    6. 全てを木で構成するのではなく、屋外など水濡れ部位(特に骨組み)は、状況に応じて鉄・アルミなどを用い、耐久性を確保する設計を行います。「木材しかない昔」とは異なる現在では、保守費用などを総合的に判断することが大切です。(ウッドデッキなど地面から低い高さのもので、木材腐朽により重大な事故に繋がらないものは別です)

    7. メンテナンス性能

      1. 設備排水管などを出来るだけ壁に埋め込まず、数十年後のメンテナンスを考慮します。
      2. 特殊な部材・設備機器を使わず、一般流通品を用いることで、将来の交換を容易くします。
        これは経験しないと意外に分からない点です。新築後数十年が経過し、ある部品交換の必要が生じたときに、建築した住宅メーカーだけが取り扱える部品という制約が案外多く存在します。

      3. 長期優良住宅

        全ての建物に長期優良住宅の認定申請をお勧めしています。
        SHIBA建築工房の基本性能は、長期優良住宅の諸条件にほぼ適合しますので、大きな設計変更なく認定申請が可能です。


        木材・その他の材料

        1. ご要望を伺い、最適と思われる木材をご提案します。木に情感をお持ちの方へは産直・無垢の木などを。強度などを満たせば良いとお考えの方にはJAS構造材をお勧めするなど、私どもの考えを押しつけることはしません。
        2. 室内の床は無垢板が基本です。木は堅さや香り、耐久性などが樹種により異なります。多様な床板を、国産品または海外の合法木材の中からご提案します。
        3. 目に見える仕上材には、経年変化が味わいとなる材料を用いたいと考えています。ご要望を伺い、コストを考えながらご提案いたします。

        4. 木材、無垢の木
          詳しくは、木材・無垢の木ページをご覧ください。


          自然災害への対応

          外観デザインと自然災害防御

          四季がある日本。しかし近年は春秋の心地よい季節が短くなりました。そしてこれまでにない強い台風や豪雨に見舞われるようになり、日本の気候が変わったといえます。地震・台風などの自然災害から守ることは建物性能の重要な要素です。

          そして、気密・断熱性能の数値 (C値・UA値など)を追い求めると窓は小さくなり、四角い箱のシェルターのような味気ない建物になりがちです。しかし四角い箱のような住宅が建ち並べば、殺風景な家並みとなってしまいます。

          安全性と快適性の両立、そして街並み作りに僅かでも貢献できる外観を併せ持つ建物の設計を心がけます。個々の敷地条件において最適な設計を導き出すことを考えています。


          消去法ではない理想の具現化

          「間違いのない買い物をするために、無難な家を買う」という発想ではなく、
          より積極的な家づくりのお手伝いをさせて頂きたいと思っています。
          お気軽にご相談ください。


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